「第一線監督者の集い:九州」にみる優秀事例②

2011年3月に行われた「第6回第一線監督者の集い:九州」では11の活動事例が報告され
優秀事例にトヨタ自動車九州とダイハツ九州の活動が選出された。

ともに第一線監督者の中核的な役割である人材育成を中心に据え、その取組み姿勢や手法が高く評価された。

イノベーションや攻めへの転換も課題

日本のものづくり現場を守るには、イノベーションが不可欠だ。これを切り口にした発表も少なくなかった。

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)日出工場アセンブリー/テスト製造グループの矢田智浩主事は、5S(日本TIではファイブエスと呼称)活動から海外工場に負けない強い製造ラインの実現に取り組んだ。まず、お客さま視点を「0S」に設定。5Sをツールとして活用し、継続的改善につなげる一方、工場自体をイノベーションのショールームとすることで、強いラインを実現した。

「上位職の考えや行動がカギになります。現場に入ってもらうことが重要」という矢田さんの指摘は、これからの日本の製造現場のあり方を示している。

本田技研工業熊本製作所汎用工場は、生産減少に対応する効率的な生産方式確立に取り組んだ。汎用機モジュール加工ユニットの江原信リーダーは、新たな生産方式を安定稼動させるため、スタッフの活用で若手の習熟時間を捻出、週末の計画停止でTPM時間を確保するなどの施策を展開した。作業標準も大幅に見直し、生産効率を向上させた。

「グローバルなものづくりエキスパートをめざしたい」と、新しい第一線監督者の姿を示している。

味の素九州事業所の取組みも、世界で戦うための現場力強化だ。バイオ素材グループ原動係の森新一郎班長は、事業収益力を高めるため、新たなバリューチェーンの構築を進めた。水道事業者と協働でのコスト削減のほか、従来はノータッチだったボイラーの最低負荷低減にも着手し、検証を繰り返しながら蒸気ロスを極小化した。

「アンタッチャブルである理由を、技術的に確認したいという意識がスタートでした。今後は、他の部署とも共同で最適化を考えたい」と言う森さん。頼もしい発言である。

企業として、守りから攻めに転じるため、第一線監督者が力を発揮する局面は増えつつある。

パナソニックシステムネットワークスの取組みは、これに当たる。モビリティビジネスユニット製造グループ工場管理チーム製造企画ユニットの鈴木幸博さんは、工場統合で異なる風土が混在する現場をまとめ、顧客直結の信頼される現場づくりに取り組んだ。現場リーダーの経験を活かし、新たな仕組みづくりや派遣社員の短期戦力化を実践した。

「全職能が一体となり、真の入り交じりを実現したい」と考える。現場から企画へ、第一線監督者の役割の拡大を示している事例といえよう。

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