ダイキン工業インタビューその2 | なぜ後輩を育てようとするのか?

第12回 第一線監督者の集い:福岡(旧第一線監督者の集い:九州)参加者のダイキン工業株式会社 吉岡様(空調生産本部堺製造部製造第1課チーフ)、竹之内様(空調生産本部堺製造部製造第1課組長)、奥田様(空調生産本部堺製造部教育・技能伝承担当課長)に日本能率協会の平井がお話を伺いました。(以下敬称略)

なぜ後輩を育てようとするのか?

IMG_9618平井
私が発表ですごく面白いと思ったのは、東さんでしたか、後輩の方を自分の右腕にして一緒に成長させる取り組みです。
東さんに目をつけたのは、何か理由があるのですか。

吉岡
そのころの東にはあまりスポットライトが当たっていませんでした。僕が異動でこのラインに来たとき、だめだなと感じたのが第1印象でした。
しかし、仕事ぶりを見ていくとものすごくきっちりしています。いわれた仕事をきちんとやるだけでなく、人がついてくる性格をしています。
いっしょに職場にいる派遣社員らが周りに集まっていたのです。人望があるわけです。

平井
大会当日後ろの方で発表を聞いていたので、今日近くでお目にかかって、こんなにお若い方だというのに驚いています。それなのに、今のお話のように後輩の方にちゃんと目を配っているのは、なかなかできることではないと思います。

ご自身が今の職場に入られた時にも、そういう方が周囲におられたのでしょうか。

吉岡
私は非常に上司に恵まれていると思います。
以前の上司の方も厳しいですが、人を大切にする方でした。今の竹之内組長も同じです。そういう人たちから学んできましたから、僕も人を大事にしたいと考えています。

平井
仕事を始めて何年目ぐらいから、後輩を育てようと考えるようになりましたか。

吉岡
僕は何でも自分でやろうとするタイプの人間です。最初のころは自分が前へ出ようとするばかりで、後輩のことをイメージすることはありませんでした。
しかし、今の立場をもらい、仕事をさせてもらうようになって初めて、みんなに手伝ってもらわないといけないことに気がつきました。やはり、人を育てないといつまで経っても職場環境は良くなりませんからね。

平井
自分の業務で上手くいかないことがあり、考えが変わったのでしょうか。

吉岡
それもあります。1人でやってどうにもならないことも経験しました。

平井
そのような時に先ほどおっしゃっておられた、「人を大切にする上司の方」がいることにも気づいたのですね。
発表の資料を拝見し、また、今日こうやってお話を伺ってすごく前向きでポジティブに何事もとらえているような印象を受けました。

吉岡
不良はものすごく出ていて、それに対していろいろと試行錯誤しながらやっていきました。

平井
何をやっても不良が減らない時期があったということも書いていましたね。

吉岡
塗装という仕事は基本的にきれいな環境できれいに塗装しなければならない仕事ですから、不良をゼロにするのが難しいものです。1度メンテナンスをさぼると、次にメンテナンスをしても裏目に出て、不良が増えることもあるのです。
良かれと思ってやったことがみんな裏目に出て、ものすごく不良が増えたこともありました。
1回や2回ではなく、そういうことがたびたびあったのです。 

平井
そんな中でも、諦めずにトライし続けようとするモチベーションになったのは何でしたか。

吉岡
心が折れそうになることも何度かありました。
でも、今までお世話になった竹之内組長、杉田職場長をはじめ、上司の方たちは決してあきらめようとしません。失敗を繰り返してもまた、次の手を打っていました。
そういう人をずっと見てきましたから、最後にはきっとうまくいくと信じていました。

平井
お仕事をされる中で最も大切にしていることは、あきらめないことでしょうか。

吉岡
そうです、あきらめずにまずやってみることです。

平井
発表内容も吉岡さんが輪の中心になって引っ張っていったように見えますが、そのように周囲に働きかけて動かしていくことは職場で多いのでしょうか。

吉岡
基本的に風通しの良い職場ですから、上から命令されるだけでなく、自分から「これをやりたい」といえる雰囲気はあります。
やらされる仕事より自分からやる仕事を増やしたいと思っています。
まだ全部ができているわけではありませんが、そういう職場を目指している途中です。

実際に発表してみた感想は?

IMG_9625平井
昨年大会にご参加された感想も、お伺いしたいと思います。
どういうプロセスがあって吉岡さんに白羽の矢が立ったのでしょうか。

吉岡
正直にいうと、急にやってみないかと声がかかり、最初はかなり戸惑いました。自分にそんなことができるのかと自問自答していました。
ただ、せっかくこの会社の代表として任せられた以上、決まったときは全力でやろうと決心しました。

平井
資料の準備は大変でしたか。すごく手の込んだ資料でしたよね。

吉岡
大変でした。業務もありましたから、時間を作るのにも苦労しました。

平井
他の出場者の方で、『自分の業務を再度棚卸しして、何を実施したか考え直すプロセスが大変だった』とおっしゃっていた方がおりました。

吉岡
職場のメンバーがすごく協力してくれ、切り抜き写真などは職場の子たちが作ってくれました。
写真をペタペタと張っていき、やった内容を棚卸ししていく感じで作業を進めました。

平井
奥田さんにうかがいますが、吉岡さんに声をかけたのは奥田さんですか。

奥田
製造課長へ今年、こういうイベントにぜひ挑戦したいので、若手の中でうまく部下を成長させている人を紹介してほしいと依頼したところ、吉岡君が推薦されました。

平井
当日、発表した感想はいかがでしたか。

吉岡
いやものすごく緊張しました。

平井
去年は確か、来場者が200人か300人、もう少しいたかもしれません。

吉岡
本当に緊張しました。
でも、壇上に立って話し始めたらもうあっという間に終わりました。
壇上に立つまでが大変でした。
僕は発表が終わって緊張がほぐれ過ぎたのか、着ていった服を忘れて帰りました。送っていただいたのです。

平井
他の方の発表は聞かれましたか。

吉岡
聞きました。僕は都合で2日目だけ聞けなかったのですが、他の方の発表もすごく響きました。
特にキャタピラーの司馬さんには、独特のすごいオーラを感じました。

平井
今年は、司馬さんには大会の企画委員をお務めいただいています。

吉岡
今村さん、出口さんも良かったですね。
やはり独特な司馬さんの発表にはひかれました。
日立金属の中西さんの話もすごく響きました。自分の励みにもなりました。
こういう人たちがいっぱいいる中、自分が参加させてもらえたことは本当にありがたく、また頑張ろうという気持ちがわいてきましたよ。

奥田
今年は洋上研修に行くよね。

吉岡
ありがとうございます、良いチャンスをもらいました。

奥田
長い間、うちは洋上研修に参加していませんでしたが、久しぶりに誰かを行かせようとなったとき、前回の発表で頑張った吉岡君にとなりました。

平井
洋上研修もいろんな人とつながりができますよ。
恐らくチャンスを120%生かしてくださると思います。

吉岡
ありがたいお話なのですが、結構不安ですよ。

奥田
現場にいるとなかなか外へ出るチャンスがありません。
発表とかも部内や社内ではあるのですが、外の講演を聴いたり、外の会社を見に行ったりする機会は少ないのです。
こういう研修は本当にチャンスで、良い励みになってくれるでしょう。

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