ダイキン工業インタビューその4|失敗をポジティブに捉える方法とは?

失敗は、失って敗れることではない。失敗を糧として、みんなで仮説と検証を繰り返すプロセスこそ、ダイキンのDNA。

第34回第一線監督者の集い:名古屋 最優秀事例賞受賞者のダイキン工業株式会社 杉浦智行さん(滋賀製作所 空調生産本部 滋賀製造部 製造第二課 チーフ)、小倉博敏さん(滋賀製作所 空調生産本部 滋賀製造部長)、福井規仁さん(滋賀製作所 空調生産本部 製造第二課課長)に日本能率協会事務局(JMA)がお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

失敗をポジティブに捉える方法とは?

JMA
15分という限られた時間で、3年間の活動をどのように凝縮するのかご苦労されたと思いますが、言い足りなかった、伝えきれなかったということはありませんか?

杉浦
伝えきれなかったことばかりですが…。
成功より失敗の方が多かったのですが、そうした失敗のすべては発表できなかったので、その失敗を乗り越えた苦労を、どれだけ感情を込めて伝えられるかがポイントだと思っていました。今回はうまく発表できたかな?とは思います。

JMA
同じような苦労をされている現場リーダー多くが集まっている大会なので、言外にある苦労を彼らは想像しながら聞いていたと思います。
参加者アンケートを見ると、成功事例よりも失敗事例をたくさん聞きたいという声が多く上がっています。今回の取り組みの中でこれは失敗だったけれども、何か副次的にいい成果が生まれたとか、失敗を活かしたようなエピソードはありましたか?

杉浦
そうですね。まったく結果が出ないことはたくさんありました。期待100%からの転落なので、その時は結果をメンバーと共有することがなかなかできませんでした…。いつも結果を社内メールでメンバーに送るのですが、それが怖くて(笑)。
そこで、結果が出なかったのだから、違う方向で可能性があるのではないかと、自分の中でヒントに変えて考えてメンバーに伝えることにしました。結果は出なかったけど、無意味ではなかったんだと・・・。
それを心がけていたので、いま何かの取り組みや業務で失敗しても、次のステップに切り替えることができるようになりました。取り組みのメンバーは私よりキャリアも長いですし、年上の方ばかりなので、すごく気は使いました。

小倉
ここで発表される各社の方々は、いかにその重い気持ちをプレゼンテーションで伝えるかという点において、やはりすごく上手です。我々はその能力が低いんですよ。今回も数字的なものを出したかったんですが、たぶん数字だけを言っても聞いている人たちは「何のことだ?」となってしまう。それで苦労した部分をできるだけ入れさせるようにしました。
彼は“しっぱい(失敗)”ばかりだったと言っていますが、この“しっぱい”は文字の通り“失って敗れる”ということではなくて、次につながるような“しっぱい(執敗)”になっていったんですよ。字で書き換えると、“しっぱい”の「しつ」は執念の「執」です。そちらに変えていけと話しました。その執念を持って負けないようにやっていこうと。
“何もしない”のは失敗だと言われますが、“何かを考えていて何かをしない”のは失敗ではなく、次への挑戦への時間だと思います。それがあまりにも長すぎるのはいけませんが。
逃げると挑むは紙一重です。そうしたことを説法のように若い人たちに話しているのですが、それが彼らの言葉になり行動に反映できたらいいなと考えています。説得力があれば人は付いてきます。その人の肚に落とせるかどうか、それがポイントだと思います。

JMA
失敗を失敗で終わらせないために、ということですね。
常に問題意識が高いから、次のことが考えられるということですね。

小倉
その場で終わるということが、一番の大失敗です。
結果が悪かったら、まずは、「どうして?」、「おかしい、どうしてこんな結果になるのか」です。もともと立てていた仮説のどこにズレがあったのかということです。

JMA
杉浦さんの性格だと、これだったら間違いないと自信を持って取り組まれますよね。
いい結果が出なかったときは落ち込むんじゃないですか?

杉浦
自信はあるのですが、同時に悪いところでもあるんですけどね(笑)。失敗した時の反動はキツイです。

福井
仮説と検証の繰り返しです。そこでたくさんの失敗があるからこそ、さまざまな課題が見えてきます。それにみんなが寄ってたかって課題を解決していく!というのがダイキンのDNAなんですよ。理屈は抜きです。これが原点です。

JMA
考え抜いている姿勢を見せているから、周りのメンバーもついていくわけですよね。

福井
そうですね。やはりその後ろ姿を見ているからでしょうね。

みんなで勝ち取った11年ぶりの受賞。その後の周りの反応は?

JMA
今回、最優秀事例賞を受賞されて周りの方の反響などはいかがでしたか?

杉浦
まずはおめでとう、と。同時に過去の栄光は忘れろと厳しいお言葉をいただき、日々頑張っております(笑)。
ダイキン工業としては11年ぶりの受賞で、周りの人からは「賞をとった人だ」と見られていると思っているので、より見られているんだなという引き締まった気持ちで仕事をしています。
取り組みについてはやりきることが自分の使命だと思っているので、そこは変わっていません。取り組みのスピードも意識していこうと思っています。

JMA
受賞をご家族にはお話になったのですか?

杉浦
はい。ちょっと豪勢な夕食が出てきました(笑)。妻は私の名前をインターネットで検索しているようです(笑)。

小倉
弊社の広報も、次の日には社内のイントラネットにアップして、すぐに前社長から「すぐに資料を送ってほしい」という声が届きました。

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