ダイハツ工業インタビューその1|発表で伝えたかった4つの思いとは?

初となる「第一線監督者の集い・名古屋」という大舞台での活動発表。その中で感じた、活動を進める上での葛藤や、組織を変革することの難しさ。

第33回第一線監督者の集い:名古屋 最優秀事例賞受賞者のダイハツ工業株式会社 川村茂豊さん(本社(池田)京都工場 第2製造部 プレスボデー課 副主任)に日本能率協会事務局(JMA)がお話を伺いました。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

発表で伝えたかった4つの思いとは?

川村茂豊さん

日本能率協会「第一線監督者の集い・名古屋」事務局(以下「JMA」)
「第33回第一線監督者の集い・名古屋」において「プレス再生計画~外観品質向上活動から学んだ事~」をご発表いただき、最優秀事例賞をご受賞されましたダイハツ工業 川村さんに、受賞にいたるまでの社内での業務や役割などを含め、今回この大会に発表、参加することになったきっかけについてお伺いしたいと思います。
まずはおめでとうございました。

川村茂豊氏(以下「川村」)
ありがとうございます。

私は、勤続20年を迎えます。生産ラインで13年、課内の特命チームで6年、現在は現場に戻り検査を担当しています。特命チームというのは、課内の課題解決を推進するチームで、改善活動の推進や人材育成などを目的に設けられたグループです。そこでは教わる側から教える側へと徐々にシフトしていきました。

QCサークル活動や特命業務の中では、他社や他工場の改善活動も一緒に推進する立場にありましたので、報告自体は経験がありましたが、今回のような大会での発表は初めての経験でした。
出場のきっかけは、課長、係長からの推薦でした。

JMA
社内からのご推薦で参加されたのですね。
今回の発表で、一番伝えたかったことや苦心された部分は何かございましたか。

川村
一番と言われると難しいですが、発表を通じて伝えたかったことは4つありました。

1つ目は、私達が働く環境を皆さんに伝えたいということです。
今、生産現場は転換期を迎えており、最新設備や海外という部分が非常に注目されています。新機種のプロジェクトも目白押しの海外拠点や注目されている工場と比べ、古い設備で生産量も落ちていく国内工場で働く私達のモチベーションや頑張りを、まず伝えたかったという思いがありました。

2つ目は、今回の活動での外観不具合の異物対策での地道な活動です。
こちらに関しては徹底的に解析を進めながら対策を進めました。

3つ目は、この活動に対しての私の思いや、活動がうまくいかない葛藤です。
ハード対策を行なうことで、現場が変わり働く者のモチベーションも上がると期待して進めていました。しかし、いくら設備環境を整備しても、それを扱う人が変わらなければ、一時的な効果しか得ることができませんでした。
そうした葛藤は非常にありました。

4つ目は、その意識をどうやって変え、どんな仕掛けをして現場一人ひとりの自発性を芽生えさせるのか。自分達で考えて行動して、決めたことも守ってくれるような現場に変えていけるかという部分です。

JMA
設備を改善し環境をよくしても、実際にその設備を使う人の意識が変わらなければ、生産性はあがりませんし、品質も向上しないということですね。
そこをどのように変えていくのか、皆さん愚直に取り組まれているようですがなかなかうまくいかないことも多いようです。
その改善の仕掛けを多くの方々に伝えたかったのですね。

川村
私達、特命チーム主導で改善しても最終的には現場に任せる、という形で推進していましたので、どうしても標準化の面で最後のツメが甘くなってしまいます。

このやり方では「やらされた」という感じしか残らないので、どうしても手を抜いてしまったり、維持が難しくなってしまいます。

JMA
そういった意味では、きちっと受け渡ししながら、最後のフォローアップまで含めて意識を変えてやっていこうと思ったのですね。

来嶋(上司)
どれだけ要領書に落とし込んで展開しても、結局その要領書の心が分かっていないと定着は難しいといったところですね。

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