TOTOその2|「ありたい姿」を作った背景とは?

工藤
セル・ライン工程の組長になったとき、最初に自分のありたい姿を描きました。

それは、「簡単改善・楽しい改善」「生産性がグングン上がる」「チームワークの向上」「ワークライフバランスの確立」この4つを通して、電子機器製造課の上位方針に貢献しようというものです。

もともとTOTOには「あしたを、ちがう「まいにち」に。」といういうスローガンがあり、究極のムダ取りと品質向上に向けた継続的改善が電子機器製造課全体の方針でした。

斎藤
ありたい姿を描いたものの、組としてのまとまりに難しさを感じていたわけですね。

工藤
そんなとき、社内の職長研修で1冊の本を薦められたんです。

『鏡の法則』(野口嘉則著)という本で、そこには「自分自身に起こりうる問題の原因が自分自身の中にすべてある」とあったのです。

この本を読んでいるうち、人間はどうしても欠点を見てしまうということに気づきました。

例えば、きれいな円があるとします。もう一方に少し欠けた円があります。

そうすると、人の目は絶対に欠けた方を見るわけです。

振り返って、これまでの自分は、自動機工程にいて、やはり自分自身も欠けている部分を指摘するといったものの見方をしていたのだと思います。

それでも上手くいっていた。ところが職場が変わったら通用せず、打ちのめされたわけです。

そんなことを経験し、本から得た学びもあって、悪いところを見るのをやめ、より良い部分を見ていくというふうに考えを変えていったのです。

そうして、メンバーと信頼関係を築くべく、あらためて取り組みはじめました。

斎藤
具体的にどんなことをされたのでしょうか。

工藤
まずありがたかったのが、困った私をみて、豊久係長がメンバーと本音で言い合う場を設けてくれました。

豊久
はじめは互いに相手に気を使っている感じでしたが、彼もリーダーも本音を話し、双方が誤解している部分が見つかったのです。

職場をマネジメントするのは、組長の工藤ですから、彼が考え方を変えることで結果的に良い方向へ進めることになりました。

工藤
あのような場がなかったら、今もコミュニケーションが取れていないと思います。

もっと相手に向き合うことが大切だと気づきました。

それでより本音を引き出せるように、インタビューシートを作り、メンバー全員にインタビューをしていったのです。インタビュー形式で質問していく事で、話す事が苦手なメンバーでも何かしら発言(回答)をする。そこから会話を弾ませる事ができました。

メンバーと本音で会話もできるようになり、何よりもインタビューシートをつけることで、その人の強みが見つけられるようになったことが収穫でした。

何を得意とするのか、どんなことが苦手なのかが分かりましたから、そこからそれぞれの目標設定シートを作り、達成に向けていっしょに努力しようとやっていきました。

斎藤
コミュニケーションがきちんと取れ、自分も周囲も遠慮せずに話せるようになったわけですね。

(その3へつづく)

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